「21世紀の人類のための21の思考」
ドイツ語題:21 Lektionen für das 21. Jahrhundert
英語題:21 Lessons for
the 21st Century
(2018年)
鋭い考察に基づいた説得力のある論理展開、的確な例をふくんだ分かり易い説明。ハラリの本を読むたびに「目から鱗」の体験ができる。人類の過去を綴った「サピエンス全史」、未来を展望した「ホモデウス」に続き、人類の現状を分析したのがこの書である。21世紀に基づき、21の章に分かれている。書かれたのは2018年、それから7年経った今日、彼の予言のかなりの部分が的中していることが分かる。AIについて、まだそれほど騒がれていなかった7年前に、既にAIの脅威を予言し、AIが使い方によっては人類にとって極めて危険なものになることを予測しているのはすごい。
第1部:
技術的課題(The Technological Challenge)
第1章:幻滅(Disillusionment)− 先送りにされた「歴史の終わり」
第2章:雇用(Employment)− あなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
第3章:自由(Liberty)− ビッグデータがあなたを見守っている
第4章:平等(Equality)− データを制する者が未来を制する
第2部:
政治的課題 (The Political Challenge)
第5章:共同体(Community)−人間には身体がある
第6章:文明(Civilization)−世界にはたった一つの文明しかない
第7章:ナショナリズム(Nationalism)−グローバルな問題はグローバルな答えを必要とする
第8章:宗教(Religion)−今や神は国家に仕える
第9章:移民(Immigration)−文化にも良し悪しがあるかもしれない
第3部:絶望と希望(Despair and Hope)
第10章:Terrorism(テロリズム)−パニックを起こすな
第11章:戦争(War)−人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
第12章:謙虚さ(Humility)−あなたは世界の中心ではない
第13章:神(God)−神の名をみだりに唱えてはならない
第14章:世俗主義(Secularism)−自らの陰の面を認めよ
第4部:真実(Truth)
第15章:無知(Ignorance)−あなたは自分で思っているほど多くを知らない
第16章:正義(Justice)−私たちの正義感は時代後れかもしれない
第17章:ポスト真実(Post-Truth)−いつまでも消えないフェイクニュースもある
第18章:サイエンス・フィクション(Science
Fiction)−未来は映画で目にするものとは違う
第5部:レジリエンス(Resilience)
第19章:教育(Education)−変化だけが唯一不変
第20章:意味(Meaning)−人生は物語ではない
第21章:瞑想(Meditation)−ひたすら観察せよ