日本に普通にあってイギリスにないものって何?

疑問その十:「日本に普通にあってイギリスにないものって何?」

最後の「疑問」である。これまでの疑問に対する回答は、統計、事実に基づくものであったが、今回は僕の個人的な印象によるもの。つまり、英国から日本へ帰ったとき、逆に日本から英国に行ったとき「あれっ」と思ったことの羅列である。
「マスク」

日本に帰ると、特に冬場、大きな白いマスクで顔を覆っている人が多い。あれには正直驚くと共に、顔の見えない人に対する一種の恐怖心を覚える。基本的に、英国では、人前では顔は出さないと失礼という考えがある。顔を見せて話すのが礼儀。だから、中国人や日本人の旅行者以外、マスクをした人はまずいない。職場でマスクをしようものなら、どこかの宗教に改宗したのかと同僚に疑われる。唯一の例外はイスラム教の女性であるが、ヨーロッパではイスラム教の女性でも最低顔だけは見せるようにという法律が出来つつある。風邪の予防?風邪のウィルスはマスクの繊維の隙間よりう〜んと小さいと思うのだが・・・

「傘」

次に日本で驚くことは、少しの雨でも日本人が傘を差すこと。ちょっとポツリときただけでも、日本の女性はサッと傘を広げる。英国人はよっぽどひどい雨でない限り傘は差さない。僕の友人に、生まれてから一度も傘を差したことのない人もいる。その人の横で傘を開けようとしたら、

「そんな女みたいな真似はよせ。」

と言われた。英国で売っているコート、ジャケットはフードの付いているものが多く、多くの人はそのフードで雨をしのいでいる。日本のように長くシトシト降る雨が少ないのと、室内で暖房が利いているので、濡れたコートやジャケットも直ぐに乾くのも要因だと思う。

「飲み物や煙草の自動販売機」

もちろん、飲み物やスナックの自動販売機は英国にもある。でも、駅や空港、オフィスビルの中だけで、日本のように街頭にはない。ヨーロッパ人というのは街の「景観」を大切にする人々で、自動販売機により、景観が損なわれるというのが第一の理由らしい。

「新聞配達」

英国では新聞は自ら駅の売店やキオスクに買いに行くものである。日本のようにバイクに乗ったお兄ちゃんが朝刊、夕刊を配達してくれるという制度はない。もちろん、足の不自由なお年寄りなど、自分で買いに行けない人は、配達を頼むことも出来る。その場合、新聞代金と同じくらいの追加料金を取られる。

新聞を店頭で買うという習慣は、新聞の紙面の構成にも影響を与えている。消費者は当然、幾つか並んだ新聞のうち、ひとつを自分の目で見て買うわけである。したがって、第一面が、やたらカラフルで、大胆である。大衆紙など一面に「おっぱいを出した若いお姉ちゃん」などがボーンと写っていることもある。一般紙も、第一面の写真、見出しなどは派手で目を引くものが多い。

 

英国紳士の傘はステッキ代わりで広げて差すものではないとか。

 

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