エリザベス女王ってお金持ちなの?

 

疑問その五:「エリザベス女王ってお金持ちなの?」

正解:「とってもお金持ちです。」

統計が少し古いが、二〇一五年の、エリザベス女王の推定個人収入は275百万ポンド、385億円であった。これは、女王個人の収入で、皇室費等の国家歳出は含んでいない。ちなみに同年の個人として最高収入を得ていたのはマイクロソフト社長のビル・ゲイツ氏で2860億円、スポーツ選手ではバルセロナのメッシ選手で48億円であった。これってすごいと思う。女王陛下の個人収入はあのビル・ゲイツ氏の八分の一に達し、メッシ選手の八倍もあったのである。女王は広大な不動産を所有しており、その土地からの収入が莫大なものであるとのことである。ちなみに、女王は所得税を納めておられる。

エリザベス二世は今年二〇一七年で、九十一歳。まだ国会で演説されたり、国賓を迎えられたり、信じられないほどお元気である。あの、鮮やかなショッキングピンクや、黄緑色のファッションがまだ似合うというのも素晴らしい。

それ以上に僕を驚嘆させるのは、旦那のエジンバラ公フィリップさんである。彼は九十六歳。腰も曲がらず、杖も突かず、馬車にもすいすいと独りで乗り降りされている。ちなみに、彼は私の父親と同い年だが、父は数年前に「老衰」で亡くなっている。エリザベス女王のお母さんも百歳以上生きられたし、本当に英国の皇室は長命の方が多い。

 

    

エリザベス二世とご主人のエジンバラ公フィリップ

 

疑問その六:「どうして難民の人々はイギリスに行きたがるの?」

正解:「働き易いから。」

 ドーバー海峡を隔てて英国と向き合ったフランスのカレーの街に難民が集まり、非合法の難民キャンプが出来ていたことは日本でも報道されていたと思う。彼らの多くが列車やトラックに忍び込み、英国に密航しようとした。結局キャンプは撤去され、フェリーや列車の乗り場には厳しい警備が敷かれ、実質的に密航はかなり難しくなっているらしい。しかし、ドーバー海峡は泳いで渡れる距離である。何とかして、英国への渡航を試みる難民は今でも後を絶たない。

 ではどうして、難民たちはフランスではなく、英国に来たいと考えるのだろうか。その理由は「職が得やすい」ということである。ドイツやフランスでは、IDカードという日本で言う「マイナンバー」のカードがあり、それを提示しないことには職を得るのは難しい。カードを持たない者を雇った雇用者は罰せられる。英国ではそのようなカードがまだ一般的でない。また、既に大勢の難民が非合法に入国し、非合法で働いているので、それなりにネットワークが作られている。既に仲間が沢山おり、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」のである。また、移民受け入れの伝統の長い英国は「亡命申請」が欧州で最も簡単に出来る国だという。それと最後に「英語」。誰も、歳を取ってから、ドイツ語やフランス語を一から学ぶのは辛いよね。英語なら学校でやったし、ということらしい。

 

フランスのカレーにある非合法難民キャンプに集まった人々。

 

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