ギリシア観光産業を支える人達

 

ついつい食べ過ぎると言いながら晩御飯を皿に取るマユミ。

 

エフタ・ピゲスからの帰り道、運転をしていると眠くて仕方がない。三時にホテルに着くと同時に眠ってしまった。

二時間ほど眠って、ひと泳ぎするためにプールサイドに行く。プールバーの横に卓球台があったのでマユミと卓球を始める。間もなく、白のTシャツに赤のショーツの若いお兄ちゃんが参加してきた。彼としばらくボールを打ち合う。サーブの前に、

「どこから来たの。」

と聞くと、

「僕はこのホテルの『エンターテインメント』係なの。スロヴァキアから来て、夏の間だけ働いているんだ。」

と言った。マユミがバーの中のウェイトレスのお姉ちゃんたちにどこから来たと聞くと、アルバニア出身だったという。ブルガリア人もいた。ギリシアの観光産業は、彼らのような東ヨーロッパからの労働者で支えられているのだ。

プールで泳ぐが気温が高く、風もないため、水から上がっても寒くない。マユミはプールは飽きたと言って、海に泳ぎに行った。

スロヴァキアのお兄ちゃんの話によると、今晩はプールバーでカラオケ大会があると言う。マユミとふたりで参加を検討する。

「よし、ふたりで一度歌ってみよう。優勝して日本人の名前を上げようぜ。」

ということで、夕食後、「アバ」の「ウィナー・テイクス・イット・オール」の練習をする。(これならあるでしょう。)

しかし、始まるのが十時と遅くて、それまでに眠くなって結局は出場しなかった。ベッドにいると、誰かがプールサイドで歌っているのが聞こえてきた。はっきり言って、ヨーロッパ人のカラオケは下手。日本人のように「玄人裸足」という人はまずいない。「素人裸足」の人はいっぱいいるが。

十月十三日、今日は最終日、ロンドンに戻る日だ。七時半に目が覚める。マユミも散歩に来るというので、またまた「大リーグボール養成ギブス」を装着し、彼女と一緒に海岸に出る。今日は波打ち際を、左側へ、つまりロードスシティーと反対側に向かって歩いてみることにする。海岸がホテルの敷地の一部になっている場所が沢山あり、歩き辛い。曇り空だが、気温が二十五度以上あり、湿度も高いので汗がでる

朝食の後、荷造りをする。金魚のお土産の石と、「大リーグボール養成ギブス」はスーツケースに入れると重量超過になりそうなので、僕のリュックに入ることになった。リュックが急に五キロ近く重くなった。

その後、土産のワインとオリーブ油を買いにスーパーマーケットへ。息子の土産にワインを二本買い、義母は親戚の土産にロードス島産のオリーブ油の小瓶を買っている。さすがにオリーブ油は色々な銘柄、種類があり、スーパーの棚のかなりの面積を占めている。

 

スーパーには実に色々なオリーブ油が並んでいる。

 

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