蘭の花

 

満足感を得られるシンガポール植物園の蘭コーナー。

 

夕食の後、英国から持ってきた土産を息子の家族に渡す。今回は末娘のアイデアで、エンゾーの顔を描いた皿を持ってきていた。僕が絵付けをして、娘が勤め先の陶芸店でうわぐすりを付けて焼いたもの。エンゾーには「ランボルギーニ」のレゴをあげた。

なかなか寝たがらないエンゾーを何とか寝かしつけ、九時ごろに僕たちはホテルに向かって歩き出す。妻に言う。

「夜になっても、結構暑いねえ。」

まだ気温が三十度ある。十月の終わりごろからシンガポールは雨期に入り、雨が多くなる。気温は少し下がるはずなのだが、今年はまだ気温が高く、しかも、雨期に入る前ということで、湿度も高い。外を三十分歩くと、Tシャツが絞れるくらいに汗びっしょり。

「同じ三十度でも、アブダビとは全然違うわね。」

と妻が言った。

前章でも書いたが、妻と僕とのシンガポールの「任務」は、

@      午後、エンゾーを幼稚園に迎えにいくこと

A      夕方、晩ご飯を作ること

つまり、日中は暇なのだ。それで、僕たちは日中、散歩をしたり、市内観光をしたりして過ごすことにした。

シンガポールに着いた翌朝、僕はジョギングをしてみた。幸い、ホテルが「シンガポール植物園」のすぐ傍だったので、植物園に入り、中を三十分くらい走った。緑の中を走るのは気持ちがいい。朝七時頃だが、結構たくさんの人が、走ったり、歩いたり、犬を散歩させたり、太極拳をしたりしている。気温は二十八度、湿度はおそらく八十パーセント以上。たっぷり汗が出た。でも、汗を掻くのも悪くない。その分、身体が軽くなったような気がするから。

ホテルに戻って、シャワーを浴びて、妻と一緒に朝食をとる。

「今日、四時までどこに行こうか。」

と二人で相談する。

「植物園の中、結構よかったよ。」

と言うことで、午前十一時、僕と妻は植物園のゲートをくぐり、園内の散策を始めた。早朝のジョギングで、ある程度の園内の地理は分かっていたので、安心して歩ける。気温は三十度を超えているが、曇り空なので助かる。園内は、シンガポールのあらゆる場所と同じように、完璧に整備されていて、ゴミ一つ落ちていない。芝生の上を、「お掃除ロボット」が走り回り、芝生の手入れをしている。何事もハイテクなシンガポール。

 僕たちは「蘭園、Orchid Garden」に入ってみた。六十歳以上なので、安く入れる。そこの蘭は圧巻。大きい蘭、小さい蘭、豪華な蘭、清楚な蘭、色とりどりの蘭を見ることができる。

「ふ〜ん、蘭って熱帯植物やと思ってたけど、そうでもないんや。」

説明によると、蘭の仲間は、世界各地に生息しているとのこと。「目の正月」をさせていただいた。

 

色々な蘭があるものです。どれも美しい。

 

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