アブダビ、市場巡り

 

金市場。こんな店が何十と並んでいる。中東の人々の金崇拝は相当なもの。

 

アブダビに到着。空港からタクシーに乗り、ダウンタウンにあるホテルに向かう。チェックインを済ませ、九時ごろだったと思うが、部屋に入る。さすが五つ星、なかなかいい部屋。そして、僕はそのまま眠ってしまった。空港に着いてから、ホテルの部屋に入るまで、妻とは会話し、写真も撮っていたのだが、記憶が曖昧。まだ、睡眠剤が効いていたのだ。

「認知症になったら、おそらく、こんな気分なんだろうな。」

ホースサンクチュアリで同僚のTさん、お母さんの認知症か最近進んできたと嘆いておられた。お母さんは、何と、病院の受付で働いておられる。つまり、患者さんのお相手をされているのだ。それも適切に。しかし、その日の夜、一日何をしたのかと問われても、全然思い出せないとのこと。まさに、その朝の僕はそんな状態だった。

 ホテルで二時間眠ったら、また普通の状態になった。十一時にJさんが迎えに来てくれた。Jさんとホテルのロビーで会った後、僕たちはまず「ゴールドマーケット」に向かった。オイルマネーで潤うアラブ首長国連邦、翌日大統領宮殿を訪れたときにも感じたのだが、中東の人々は金ピカが大好きなのだ。

「お〜い、待っちくり〜」

先を行くJさんは歩くのがメッチャ速い。英国で一緒にトレッキングをしたときも、彼のペースについて行こうとすると、こちらは小走りにならざるをえなかった。彼の健脚は、アブダビに来ても衰えていない。

 最初に訪ねた「ゴールドマーケット」、一見普通のショッピングモールなのだが、その中に入っている店が全て、貴金属、宝石店。そのキラキラぶりに、ちょっと引いてしまう。

「あっしには、関わり合いのないことでござんす。」

次に行ったのは、デーツ、ナッツ市場。ここは、道の両側に、デーツ(乾燥果物)とナッツ類を売る店がズラリと並んでいる。僕は、デーツにもナッツにも興味がないが、妻はJさんや店の人に勧められたナッツを買っている。ここで買った、赤いスパイスに覆われたカシューナッツは、英国に帰ってから食べたのだが、本当に上手かった。ビールのアテに最高。もう二度とアブダビに行くことはないと思っていたが、

「このナッツを買うために、もう一度行こうかな。」

と妻に言うほどだった。

 次に行ったのは魚市場。アブダビって「砂漠の国」って印象が強いのだが、海辺にあるので、結構魚が豊富。地中海の町の魚市場に比べると、魚の種類が格段に多い。アラビアの町で新鮮な魚に出会う。正直、意外だった。ただ、常温で売られているので、新鮮そうだが、刺身で食べるにははばかられる。もし、台所のあるアパートメントに住んでいたら。絶対買っていた魚はいっぱいあった。魚市場を出た僕たちは、タクシーで、Jさんの職番に向かう。そこは、「本日のメインイベント」、僕が前から訪れたい場所だった。

 

魚市場。驚くほど品ぞろえが豊富。どれも買いたい。

 

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