二転三転

東京駅で出発を待つ、N700型の「のぞみ」と700型の「ひかり」。どちらも時速300キロ走行ができる。 

 

十三時十七分、名古屋に停車。

さすがに、海外に住む僕でも、京都と東京の間は、何十度と行き来しているので、車窓からの風景に期待するものはない。本を読んで過ごす。それでも、一昨日京都から東京へ向かうときは、雪を被った富士山が見えた。富士山は何度見ても神々しい。僕の友達で何度も東京と京都を行き来している人がいるが、新幹線から富士山が見えると、その写真をフェースブックに投稿している。それを見ていても、不思議に常に新鮮で、「またか」とは思わない。今日は曇り空。富士山の見える可能性はない。だから、窓の外を見ていても仕方がない。

今年になってから、英国から十七回の国外出張をした。大部分がフランスとベルギーだったので、国際列車「ユーロスター」を使っていた。今までに何回、「海峡トンネル」を潜ったことだろう。特別な列車である「ユーロスター」もそれだけ乗ると、感覚的には、阪急電車に乗って京都から大阪へ行くとのさほど変わりがない。

 

十三時四十四分、京都に停車。

「うわ〜、変な感じ。」

今まで、京都駅に到着しながら、降りないでそのまま乗り過ごすということは一度もなかった。生まれて初めての体験。

今回の、この旅行の実現は、結構微妙だった。最初、二ヶ月ほど前に休暇を申請したときに、日本列島縦断を考えた。しかし、休暇の直前に、京都の母が手術をしたので、帰国中は母の傍にいようと一度断念。でも、手術のあと、経過が良いというので復活、出発の前日の午前、母の気分が良くないというのでダメかなと思ったが、午後になってもちなおして、やっぱり行くことにした。二転三転の末の旅行なのである。非常にラッキーだし、母に感謝しなければならない。

そもそも今回は、日本へ来る時も二転三転であった。最初は、金曜日出発のルフトハンザ便で、フランクフルト経由で土曜日に関空に着く予定であった、しかし、ルフトハンザは木曜日からストライキ。僕の乗る飛行機は、前日にキャンセルになったという通知が来た。金曜日の出発は半ば諦め、ダメ元で妻の運転でヒースロー空港まで行った。幸い、フィンエアの関空便に空きがあったので、それに振り替えてもらって、ヘルシンキ経由で、二時間遅れで関空に着くことができたのだった。しかも、フィンエアの「エコノミー」クラスが満席で、「プレミアム」で帰って来られた。二重にラッキーだった。

ヘルシンキの気温はマイナス五度。フィンエアのエアバス三五三型機は、ヘルシンキ空港に到着。絶対飛行機からターミナルまでブリッジで行けると思っていたら、タラップで降ろされてバスでターミナルビルに移動。

「寒いよ〜。」

 

修学旅行生は、どの時代でも、東京駅のシンボル。スーツケースが今風である。

 

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