麻雀外交

 

BBQを前にお買い物。何を焼こうか。

 

Day 6

今日は土曜日、ワタルがバーベキュー(BBQ)をするという。それで、午前中、ワタルと妻と三人で、ジュー・チャット・ロードに買い物に行く。何時ものように金に糸目をつけないワタルは、和牛ステーキとか、立派なエビとか、高価そうな食材を購入している。

午後、BBQの準備には、残念ながら参加できなかった。ちょうどそのとき、勤めている学校の、オンライン職員会議に出席していたからだ。会議には、僕がひとりだけTシャツ姿で参加している。

「川合先生、今、どこですか?」

「シンガポールです。」

と答える。一人の先生が、

「私もよくシンガポール行きました。そのときはオーチャードのハイアットに泊まってました。」

ゲゲッ、ハイアットって、シンガポールでも最高級のホテル。今僕が泊っている「居眠りホテル」の十倍の値段はする。学校の先生でも、お金持ちはいるんだ。

BBQは夕方七時ごろから、プールサイドの一角で行われた。BBQ専用スポットがあり、テーブル、椅子、冷蔵庫などが設置されている。息子が肉や魚、野菜を次々と焼いてくれる。ハンさんとグオさんも参加。シャンペンで乾杯した後、ワインが景気よく抜かれる。

BBQもワインも進み、宴たけなわの頃、どういう話のつながりだったか忘れたが、

「昔はよく麻雀をしたもんです。こっちに来てからは、全然やる機会がないんですが。」

とハンさんが言った。

「『大三元』とか『大四喜』が一番強いんですよね。」

と僕。もちろん、「大三元」なら「ダーサンユェン」という風に、漢字を中国式に発音している。ハンさんが、

「あれれ、モトさん、どうしてそんなことを知ってるんですか?」

「へへ、実は、若い頃よくやりました。」

それからしばらく、二人は麻雀ネタで盛り上がっていた。

「今度来た時、一緒にやりません?」

「そうしましょう。」

と言うことで落ち着いた。

翌日、ハンさん夫妻と僕たち夫婦は、エンゾーを三輪車に乗せて、近くの公園まで散歩に出かけた。孫と祖父ちゃん祖母ちゃんの親密タイム。アパートから通りに出て歩いていると、一軒の家からジャラジャラという音。ハンさんと僕が同時に言った。

「あっ、麻雀やってる。」

 

焼けた。はい、これからいただきます!

 

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