スパゲティーの朝ご飯
朝からスパゲティー・ボロニエーゼ。暑い夏には悪くない。元気が出そう。
前章でも書いたが、今回はアジを見直した。新鮮なアジは、歯応えもあり、味も濃い。美味しい物は高いとは限らないのだ。金沢を去る朝、僕と義母は朝から「スパゲティー・ミートソース」を食べた。僕は、朝からステーキでも、ラーメンでも、豚カツでも、何でも食べられる人だが、義母も朝から何でもオーケーという人らしい。
「最近、暑さで食欲がなくて・・・」
と言っていた義母だが、その朝は、僕と同じ量をペロリと食べていた。
日本滞在中、全く同じミートソースをもう一度作ることになる。一週間後、京都の家に
姪が三人の娘を連れて遊びに来た時だ。
「若い人たちだから、何か洋食がいいね。」
と、母が言ったので、僕はまたまたミートソースを八人分仕込んだ。赤ワインをたっぷり入れるのが僕の味。
さて、話は金沢に戻り、月曜日の昼過ぎ、僕は、金沢駅から高速バスに乗って、京都に向かった。道も空いており快適な旅。そして、バスは三十分以上早く京都駅に着いた。
「ラッキ〜、電車では考えられないけど、バスではこんなこともあるんだ。」
福井県のサービスエリアで休憩した後、バスの運転手は、滋賀県でもう一度休憩をしようとした。しかし、どのエリアもトラックやバスの駐車スペースが満杯で、京都まで来てしまったのだ。
「またコロッケは食えなかった〜。」
でも、早く帰れるのはいい。京都駅でバスを降りると、サウナのような暑さに包まれる。富山も金沢も蒸し暑かったけれど、京都の暑さはまた格別だった。
母は六人兄弟である。その兄弟にそれぞれ子供がいる。数えてみると、母方の従兄弟は全部で十三人もいた。一か月ほど前に、母の代で最年長の伯母が亡くなり、従兄弟たちがお葬式で久々に出会った。そのとき、僕が近々日本に戻るという話が出たらしい。
「モトちゃんが帰って来るなら、一度従兄弟で集まろうか。」
ということになり、今回、七月九日に母方の「大従兄弟姉妹会」が催されることになった。「モトちゃん帰国記念」なので、僕はゲストで、誰かが幹事をやってくれるのかと思っていたら、いつの間にか、僕が幹事役になっていた。そのことに気付いた時、僕は金沢にいた。慌てて、インターネットで店を探し、予約を入れ、皆に連絡した。
「五、六人集まればいいかな。」
と思っていたのだが、毎日参加表明者が増え、叔母と母も来ることになり、参加者は全部で十人になった。僕はその都度レストランに電話を入れ、人数を変更した。期待が高まる。
金沢から京都まで、三千円余で行ける、レモン色でその名も「リモンバス」。乗り換えなしが便利。