ボランティアの人々

 

 

ホームページによる「サンクチュアリ」紹介は続く・・・

「現在、私たちの国では、多くの馬やポニーが放棄されているケースを見聞きします。食物や水がない場所に残された彼らは、時には、衰弱して、死の直前に発見されることもあります。私たちは、彼らを受け入れ、愛とケアを提供し、彼らが生き残り、幸せで安全に生活を送れるようにすることによって、彼らの置かれていた困難な状況を和らげるのを助けたいと考えています。」

更に、この牧場の歴史について・・・

「二〇〇〇年代初頭、現在の『サンクチュアリ』オーナーであるジュリー・ブレークは、聴覚障害、視覚障害、あるいは両方の障害を持った、数頭の馬を救助しました。 しかし、ジュリーは彼女の対象が 数匹の救済から もっと多数の馬の'救済に拡張することを、期待していませんでした。それは『サンクチュアリ』を維持、拡張するには、多額の金が必要なことを知っていたからでした。ジュリーと彼女のボランティアは、追加の収入なしには生き残れないことに気付き、『サンクチュアリ』を維持するために、色々な活動を開始しました。ジュリーは、三つの仕事を掛け持ちし、収入を得ようとすると同時に、登録慈善団体になるための申請を行いました。そして、ついに、二〇一六年、『サンクチュアリ』は登録慈善団体になったのでした。」

次に、ジュリーの主宰する牧場に何故「セシル」という名前が付けられたかについて・・・

「『セシル・ホース・サンクチュアリ』'は、癌で亡くなったジュリーの父親と、二〇一四年に生後四週間で盗まれた、彼女の『ミニチュア・シェットランド・ポニー』にちなんで命名されました。」

う〜ん、飼っている馬に、父親と同じ名前を付ける。僕の常識ではちょっと考え難いが、ジュリーがいかに馬を家族の一員として考えているか、よく分かるエピソードである。

 ということで、僕は火曜日から、牧場で働き始めた。最初に一緒だったのは、トレーシーという女性だった。結構若く見える、なかなかチャーミングな女性だが、二十代の娘さんがいるという。彼女は、容姿に似合わず、大工仕事が得意、柵や厩舎の修理を一手に引き受けている。

数日働いて分かったこと。月曜日から金曜日までは「僕を入れて」わずか四人のスタッフで五十頭の以上の馬の面倒を見ているのだった。スタッフは、全てボランティア、他に仕事を持っており、一切報酬を受け取っていない。

「金も貰わないで、ようやるわ。」

と自分でも思う。ジュリー、トレーシー、セーラが僕以外の三人。セーラは小学校の先生で、言葉に少しスコットランド訛りがある。全体の五十パーセントの仕事をジュリーがやっているといってよいだろう。土曜日、日曜日にはもっと沢山のボランティアが集まる。厩舎や柵の修理、干草や藁のバックアップなど、技術や人手いる作業は、週末に行われる。

 

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