医者のはしご

親友のGくんと、いつものコーヒーショップで。まろやかなお味。癖になる。
京都に着いた翌日と翌々日、僕は「医者のはしご」をした。三軒の医者、病院を訪れた。ここ数年、心臓の手術をしたり、目の手術をしたり、ウィルス性の内耳炎でバランス感覚を失ったりしたりしている。おまけに、酒も飲むので、肝機能も心配。京都に帰って来た時は、内科、眼科、耳鼻咽喉科などをまとめて受診し、日本の医者に「セカンドオピニオン」を聞くことにしているのだ。
「英国で身体のケアをすりゃあいいじゃん。」
とおっしゃる方もおられるだろう。もちろん、英国にも医療システムがある。しかし、日本のシステムとかなり違う。家庭医から専門医を紹介するシステム。まず、家庭医に行って、専門的な治療や検査が必要になると、家庭医が、専門医に紹介状を書いて、それを持って専門医に行かなくてはいけない。当然時間が掛かる。限られた時間に、ちゃっちゃっと済ませてしまうためには、直接専門医に行ける日本のシステムが便利。英国のシステムについて、良いところもあるのだが、それについては別の機会に譲ることにする。
ともかく、「身体のケア」が、いつも日本に帰国することの、第一の目的であると言えるかな。第三の目的は、今年、九十四歳になる、生母と継母に会うこと。そして、栄えある第一の目的は・・・
「じゃじゃ〜ん、銭湯に行くこと。」
京都に着いた翌日の夕方、もちろん、母の家の近くの「船岡温泉」に行った。サウナの中で、よく外国人観光客と話しているだが、その日はちょっと勝手が違った。僕が一人でサウナにいると、三人の男の子が入ってきた。後で知ったのだが、皆十二歳だという。
「こんにちは。」
口々に挨拶をして入って来る。随分礼儀正しい子供たちだ。
「おっちゃん、グータッチしよう。」
おまけに、三人とグータッチまでした。ここで、僕の「本性」を明かすことにする。
「きみたち、おっちゃんの仕事、何か知ってる?」
「知らん。」
「学校の先生。ちょうど、きみたちくらいの子供を教えてんねん。」
「ホント、どこの学校で?」
イギリスの、ロンドンで、教えていると言うと、わあ、すごい、イギリスの子供たちはどんなの?等々、色々質問が来て、話が盛り上がる。僕がサウナを出る時、
「センセ、がんばってや。」
と言われた。メッチャいい子たちやん。
「きみたちも、がんばってね。」
と言うと、彼らの答えが振るっていた。
「僕たち、もう、がんばっとる。」

今回は、毎日鴨川まで、1時間歩いていた。雨が少なく、流れも細い。