世界最高の夜景

深圳福田駅。深圳の駅はどこもメッチャ広いが、人影はまばら。
博物館から出たEさんは、僕を「世界で五番目に高いビル、『平安金融中心』」に連れていった。普通の道路に面して建てられており、高さ六百メートルだという。見上げるのが大変。無理すると後ろに倒れそうになる。Eさんは、中国の技術の結晶というものを見せる時、本当に誇らしげで、嬉しそうである。
そのビルは、高鉄福田駅の上にあり、僕たちはその後、エスカレーターを降りて、改札に向かう。中国の「高鉄」は切符がない。オンラインで購入するとき、身分証番号を入力するので、パスポートや、身分証明書を改札にかざせば、ゲートは開く。と言うことは、中国当局は、誰がどの列車を使ったか、全て把握しているのである。
「よく考えたら、恐ろしい社会やな。」
そう感じる。福田駅で、一日お相手してもらったEさんに握手をして別れる。
「一日ありがと。バイバイ!」
荷物検査を受けて、駅の構内に入り、五時十一分発の「西九龍行」に乗る。十数分後、僕は、二つのパスポート検査を受け、駅の外に出た。歩いてホテルまで帰る。ホテルの横が、「戯曲センター」、日本でいう「国立劇場」あるいは「歌舞伎座」である。次回は、伝統的な舞台も見てみたい。その日の夜は、迷うことなく、昨日と同じラーメン屋に行き、「モツ煮込み」の乗ったラーメンを食った。これもいけた。
香港を訪れた人が、必ず立ち寄る場所、そこはヴィクトリアピークである。「世界一の夜景」、「百万ドルの夜景」を見ることができる場所。香港は、九龍半島と香港島から成り立っているが、ヴィクトリアピークは、香港島の一番高い場所、ケーブルカーが通っている。しかし、今回夜景はもう無理。深圳から戻った日、僕は疲れて、ラーメン屋から戻った後、すぐに寝てしまった。翌日は、午後四時半の飛行で、出発しなければならない。
「ま、昼間でもいっか。」
香港での最終日、ホテルの二十五階でも目を覚ました。窓の外が少し霞んでいた。
「ヴィクトリアピークに行こうっと。」
そう決めた僕は、荷造りをして、チェックアウトして、荷物をフロント預け、地下鉄の駅に向かう。結構狭い道は、朝のラッシュ時の池袋、新宿なみの混雑である。混んだ地下鉄にのり「中環」駅で降りて、ケーブルカー、「ピークトラム」の乗り場のサインを辿って行く。十分ほどで、ケーブルカーの駅に着く。夕方など、混んでいるときは、結構な待ち時間になるらしいが、朝九時半、列は全くない。二両連結のケーブルカーに乗り、山頂に向かう。ケーブルカーの座席は、上部が上向き、下向きである。窓の外を見ていると、ケーブルカーの窓枠を基準にしてしまい、高層ビルが斜めに生えているように見えて面白い。改修中のビルのいくつかには、竹の足場が組んであった。
「やっぱり、竹の足場は、香港の伝統やったんや。」

ヴィクトリアピークに登るレトロなケーブルカー。