新約聖書のエピソード

 

僕の見た、ベルリン・ドイツ・オペラのDVDより。ヨハネの首を盆に載せ、キスをするサロメ。

 

14さて、イエスの名が知れわたって、ヘロデ王の耳にはいった。ある人々は

『バプテスマのヨハネが、死人の中からよみがえってきたのだ。それで、あのような力が彼のうちに働いているのだ。』

と言い、15他の人々は

『彼はエリヤだ。』

と言い、また他の人々は

『昔の預言者のような預言者だ。』

と言った。16ところが、ヘロデはこれを聞いて、

『わたしが首を切ったあのヨハネがよみがえったのだ。』

と言った。17このヘロデは、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤをめとったが、そのことで、人をつかわし、ヨハネを捕えて獄につないだ。18それは、ヨハネがヘロデに、

『兄弟の妻をめとるのは、よろしくない。』

と言ったからである。19そこで、ヘロデヤはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。20それはヘロデが、ヨハネは正しくて聖なる人であることを知って、彼を恐れ、彼に保護を加え、またその教を聞いて非常に悩みながらも、なお喜んで聞いていたからである。21ところが、よい機会がきた。ヘロデは自分の誕生日の祝に、高官や将校やガリラヤの重立った人たちを招いて宴会を催したが、22そこへ、このヘロデヤの娘がはいってきて舞をまい、ヘロデをはじめ列座の人たちを喜ばせた。そこで王はこの少女に

『ほしいものはなんでも言いなさい。あなたにあげるから。』

と言い、23さらに

『ほしければ、この国の半分でもあげよう。』

と誓って言った。24そこで少女は座をはずして、母に

『何をお願いしましょうか。』

と尋ねると、母は

『バプテスマのヨハネの首を』

と答えた。25するとすぐ、少女は急いで王のところに行って願った、

『今すぐに、バプテスマのヨハネの首を盆にのせて、それをいただきとうございます』26

王は非常に困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、少女の願いを退けることを好まなかった。27そこで、王はすぐに衛兵をつかわし、ヨハネの首を持って来るように命じた。衛兵は出て行き、獄中でヨハネの首を切り、28盆にのせて持ってきて少女に与え、少女はそれを母にわたした。29ヨハネの弟子たちはこのことを聞き、その死体を引き取りにきて、墓に納めた。」

(マルコによる福音書、第六章、第十四節から二十九節)

 

英国での2012年の公演の際の一シーン。これじゃ昔、上演禁止になってもおかしくない。

 

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