クリスマスとお正月

多くの日本人はお正月には神社を訪れる。

 

私が新年を日本で過ごすと言ったら、日本の新年がどんなものか知りたいってあなたは言いましたよね。これまで、同じような質問を受けましたが、

「ヨーロッパのクリスマスみたいなものかな。」

と答えることにしています。日本では新年のことを「お正月」と呼びます。ヨーロッパのクリスマスと日本のお正月は結構共通点がありますね。

A一年のうち一番大切な行事で、国民の休日になっている。

B:多くの人が故郷を訪れ、家族や親族が集まって一緒に過ごす。

C:その時期だけの特別な食べ物を作って食べる。

従って、日本のお正月を想像してもらうためには、まずヨーロッパのクリスマスの雰囲気を連想してもらえば、そんなに大きな隔たりはないと思います。どちらも、全国民を巻き込んだ大々的な行事で、そのウキウキした華々しさと同時に、身の引き締まるような荘厳さに共通点があります。

新しい年を迎えることは、どの宗教でも、「おめでたい」、「楽しい」ことのようです。英国に住んでいると、少なくとも三回の「新年」を経験できますよね。十一月にはヒンドゥー教の新年の「ディワリ」がありバンバンと花火が上がるし、一月一日は文字通り本当の「ニュー・イヤーズ・デイ」。これも前夜には花火が付き物、ロンドンでは、テムズ河沿いに盛大な花火が上がります。それにおまけのように、二月の初旬にある「チャイニーズ・ニュー・イヤー」。これも、チャイナタウンは派手な飾り付けが施され、爆竹なんかを鳴らして結構賑やかにお祝いになります。昔、世界にある何千、何万とある宗教の、「一年の最初の日」を調べたら、一年三百六十五日の全ての日が、何らかの宗教、民族の「新年」にあたっていたという記事を読んだことがあります。「毎日が新年のお祝い」なんて、実におめでたい話ですが、これでは働いている暇がありませんよね。

日本には、「お盆」と呼ばれる「サマー・フェスティバル」が三日間、八月の中旬にあります。この時期も、多くの企業が休みになり、人々は故郷へ帰ったり、海外に旅行へ言ったりします。しかし、休みの長さ、その華々しさでは、お正月に勝るものではないと思います。いくらイースター(復活祭)が頑張っても、クリスマスには勝てない、ちょうどそんな雰囲気でしょうか。

新年の最初の三日は「三が日」と呼ばれ、正式に国民の休日です。しかし、十二月の二十八日に官庁(シビル・セクター)は「御用納め」「仕事収め」(今日で仕事はもうお終いだよという儀式)と称して、休暇に入ってしまいます。

「お役人さんたちが働いていないのなら、おいらも働く必要ないよな。」

ということで、民間企業(パブリック・セクター)も多くも同じ時期に会社を閉めてしまいます。もし、あなたが日本の会社と仕事をしていたら、十二月二十九日から一月三日まで。あなたのメールの返事は戻って来ないものと思ってください。

 

そして一年の幸運を祈る。

 

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