郷に入っては郷に従え

 

何回か鴨川の北山橋までラジオ体操に行った。往復5キロ、いい運動。

 

夕方五時前から、近くの銭湯「船岡温泉」に行く。いつもそうなのだが、最初に銭湯の湯に浸かったとき、

「日本に帰ってきたあ。」

という感慨が心に広がる。昨日の夜も、一応空港ホテルで風呂に入っていたのたが、銭湯での解放感とは全然違う。

「これで、長い旅がやっと終わった!」

解放感と、安堵感に包まれる。しばらくシャワーだけで風呂に入っていなかったので、たくさん垢が出て、気持ちが良い。

銭湯を出ようとすると、ちょっと太った外国人の男性も一緒に出るところだった。明治の趣を残す船岡温泉は、ちょっとした観光名所で、外国人観光客がめちゃ多い場所なのだ。番台のお兄さんが当然のことながら、

「おおきに。」

と僕とその外国人に言う。すると、その外人さんは、

「おおきに。」

と返したのだ。それも、完璧な発音で。

「あなたの『おおきに』とってもオーセンティック。感激しました。」

と僕が英語で言うと、

「『郷に入っては、郷に従え』ですからね。」

と日本語でそのおじさんが言う。

「わあ、かっこいい!おぬし、やるな。」

僕も中国語とドイツ語を習っているが、まだまだイディオムで、返事をするレベルには達していない。いつかはそのおじさんのように、「ことわざ」や「故事成語」を使って、中国語とドイツ語の会話をしてみたい。達人の技に触れることは、大きな刺激になる。

 母が作ってくれた夕食を食べる。鰹の叩きと茄子田楽と、野菜の煮つけ、何時ものようにヘルシーメニュー。缶ビールを二本飲む。

「銭湯の後の缶ビール、これは不可分。」

夕食後、何人かの友人と、電話やLineで話す。ロサンゼルスから既に到着していたU子さんとは、木曜日に、何故か、母校のK大学付属高校を見に行き、その後、飲みに行くことになった。ふたりとも仲良しのO君も来るという。もう一人の親友のY子さんとは、来週、何人かの友人を誘って、「ミニ同窓会」をすることになった。楽しみ楽しみ。

その日も、睡眠剤を飲んで眠る。薬を飲んだ時は、いつも派手な夢を見る。その日も、目がチカチカするほど、カラフルな夢を見ていた。一気に六時間ほど眠る。着いた二日目に、六時間眠られれば、大成功と言わねばならない。

 

鴨川沿いは、ウォーキングとジョギングのメッカ。ドイツ人の友人も、実に良いコースだと言っていた。

 

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