ホームレスの気持ちがよく分かる

関空で3時間待ち。ビールでも飲まなしゃあない。
「またかいね〜」
僕は、関空に向かう前、キャセイ・パシフィック航空から「御搭乗機遅延のお知らせ」メールを受け取り、ため息をついた。僕は、これから関空から香港に飛び、そこからロンドンへ飛ぼうとしていた。遅れていたのは、「関空から香港」の便であった。これは困る。香港での乗り継ぎ時間はわずか一時間。前の便が遅れると、ロンドン行の飛行機は、僕を乗せないで香港を飛び立ってしまう。そうすると、僕の旅程は大きく変わるのである。一度同じ状態で、後発のフランクフルト行に振り分けられてしまい、フランクフルト経由で帰ったこともあった。遅れはどんどん増え、三時間になった。
「三時間はやばいなあ。」
三時間遅れると、香港着が真夜中を過ぎてしまう。そうすると、ロンドン行の飛行機を明朝まで待たなければならないのだ。
案の定、空港でチェックインの際、新しく渡された搭乗券には、関空発が午後十時、香港着が午前一時、香港発が午前八時になっていた。
「これって、七時間も、真夜中の香港空港で過ごさなければいけないってこと?」
午前一時に香港に到着。まず、寝る場所を探す。空港の中には無数のベンチがある。しかし、それらはひじ掛けにより、区切られている。ベンチの上には寝転べない。よく見ると、ベンチとベンチの間に、飲み物を置く机がある場所がある。机とベンチの間にはひじ掛けがないので、そこには席三つ分の空間がある。小柄な僕なら、横になれそうである。机がベンチより数センチ低かったが、そこに本を置くことによりベッドはほぼ平らになった。次は枕。靴を脱いで重ねると枕になる。その上にネックピローを乗せると、ちょうどいい高さになった。来ていたダウンジャケットだが、最初は、クッション性を持たせるために下に敷いたが、寒くなって来たので着た。こうして、空港での「ビバーグ」の手筈は整い、二時から六時まで、僕は四時間ほど眠った。途中目を覚ましたとき、また、自分が誰で、どこにいるのか分からなくなった。二十秒ほどして
「香港国際空港でホームレスやってるんだった。」
と思い出した。僕は、眠りながら、今回の旅行で食べたものについて考えていた。何が美味しかったかな。近くのスーパーで「なかむら」で買ったマグロの叩き、Sちゃんと昼飲みで食べた「もずくの春巻き」、深圳でEさんと食べた「鶏の足」、回転寿司で食べた「ねぎとろイクラ軍艦」、近くの「あゆむコーヒー」の「ルワンダ」、そんな結構小さなものが通り過ぎてく。
朝八時になり、ロンドン行の飛行機に搭乗。僕は、席に座ると同時に爆睡した。
<了>

僕が滞在中、ちょうど春節を迎えた。新年快楽!