中国スマホ事情

 

「便利超市」、北京のコンビニエンス・ストアーである。

 

 景山公園を出て、道路に出たとたん、僕たちがチャーターしていたマイクロバスが現れた。今回、ゾーイのオーガナイズはすごかった。本当にパーフェクト。全てがこの調子。僕らが外に出たとたん、待つ間もなく、車が僕たちを拾ってくれた。もちろん、ゾーイが運転手に、携帯から常に指示を送っていると思うのだが。彼女は、常にスマートフォーンを握っていて、絶え間なく指を動かしている。

 スマートフォーン。中国人はスマホが大好き。なしでは生きられない。飯を食う時も、常にスマホを見ている。ハンさんも例外ではなかった。ホテルのジャグジーに浸かりながら、スマホを操作している人までいた。そして、中国人は「皆」スマホを持っている。

「日本人だってほとんど皆持っているやん。」

とおっしゃるかも知れない。日本の場合は「ほとんど皆」、ちなみに僕の母と義母はスマホを持っていない。中国の場合は、文字通り「皆」なのだ。何故か、それはスマホがないと支払いができないからである。息子は、中国人の「全て」の買い物に、モバイル決済、具体的には「アリペイ」と「ウィチャットペイ」が利用されていると言う。買い物をした後、店の「QRコード」(バーコードの一種)をスマホで読み取ればそれでオーケー。決済が済んでしまうのだ。僕自身、現金で買い物している中国人を、「ひとりも」見なかった。

「でも、例えば、道で桃を売っている人たちがいたよね。あそこで桃を買う場合、あれは現金なんでしょ?」

と息子に言うと、露天商も必ずQRコードを持っているはずだと彼は主張する。

「およそ中国で物を売る人が、QRコードを持っていないことはあり得ない。」

と息子は断言した。

 と言うことは、「アリペイ」などのアカウントを持っていない僕たち旅行者には、大変不便なことになってしまう。事実、ホテルで何回かあったのだが、現金で払おうとすると、ホテルの従業員が慌ててしまうのだ。皆スマホで払うので、釣り銭なんか用意していない。釣り銭を求めて、従業員が右往左往、そんな場面に何度も出くわした。

 北京の地下鉄の券売機では、一応現金も使える。しかし、釣り銭のシステムがない。つまり、現金で切符を買う人は、きっちりその金額の紙幣と硬貨を準備しなければいけないのだ。これも不便だった。いずれにせよ、キャッシュレス時代、日本は随分乗り遅れている。英国はカードで払うのが常識で、僕は普段千円分くらいしか現金を持ち歩いていない。新聞とか水を買ったりするときのため。しかし中国はそのはるか上を行っている。日本だと、完全キャッシュレスにするとなると、

「カードやスマホを持っていない人はどうするんですか?」

という議論になってしまう。中国はその点すごい。

「カードやスマホを持っていない人は、生きていく資格がありません!」

そんな感じ。何となく、共産主義、全体主義の名残りを感じるのは僕だけかな。

 

故宮観光を終わって、皆で「火鍋」を食べる。中国風シャブシャブ。毛沢東も来たお店だという。

 

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